パウロ・コエーリョ「違う言語」
敬虔な仏教の信者であるその婦人は、人を愛する為にあらゆる努力をしていた。
ある商人が市場いて、いつも婦人に無作法な取引を持ち掛けていた。
ある雨の朝、婦人はとうとう堪忍袋を切らしてしまい、その商人の顔を傘で叩いてしまったのだった。
その同じ日の午後、婦人は僧侶にその出来事を告白した。
「私は自分の事がとても恥ずかしい」
と婦人は言った。
「私は自分の憎しみをコントロールする事が出来ませんでした」
「確かに、その商人の事を憎んだのは間違った事だったのでしょう」
僧侶は婦人に答えて言った。
「しかし互いの感情を伝え合うのが、人生というものです。
あなたは、人はみんな違うものだという事を理解しなければいけません。
次にその商人があなたの事を侮辱したら、慈悲で心を満たしなさい。
その上で彼を傘で叩きなさい。
どうやら、それがその商人が知っている唯一の言語のようですから」
http://paulocoelhoblog.com/2011/01/06/10-sec-reading-different-languages-eng-espa/